2024年度国立大学歯学部編入試験の特徴と清光の授業について

2024年度の国立大学歯学部編入試験が終了しました。
歯学部編入対策講座対策主任の藍澤先生より、今年度の歯学部編入出題内容を踏まえて、歯学部編入試験の特徴と清光編入学院の対策授業について、解説していただきました。

国立大学歯学部編入が求める人材について

国立大学歯学部編入試験では、一般入学試験では測ることのできない歯科医師にふさわしい品位と人格と、実践的判断能力ならびに未来提案能力を身につけた人を求めています。具体的には、生命倫理観を身につけた歯科医師として、病院において臨床に当たるのみならず、我が国の高度な歯科医療を推進できる研究者となり、ひいては後進ならびに市民の教育に携わり次世代の歯科医療を牽引し得る人材を求めています。

試験の特徴と対策について

国立歯学部編入学試験の小論文は主に生命倫理学の分野から出題されます。いずれの大学でも、現代医療のもたらす恩恵と課題に関する文章を読み、その内容を把握し、それを踏まえて問題を提起して解決策を見出し、さらには将来あるべき医療を提案する能力が問われます。課題文は新聞の社説や科学系雑誌あるいは教科書からの抜粋で、2時間の試験でいくつかの設問に対して計1800字程度の文章を書いて回答します。日本語ならびに英語の文章読解力に加えて論理的で説得力のある文章を書く能力が必用です。

小論文の授業では、まず論理的に考える手法を学びます。さらに現代医療を支える科学的精神を学んだうえで、具体的な医療事故や医療訴訟の事例について議論を重ねることにより生命倫理観を養います。英語の授業では、新聞や雑誌の科学欄をスラスラと正確に読み、要約できることが目標です。このとき、英文を言葉として理解するだけでなく、そこに書かれている科学的あるいは医療的な意味を理解することが大切です。

岡山大学歯学部編入試験について

岡山大学歯学部編入試験では、現代医療がもたらす問題点に焦点を当てた新聞の社説や雑誌の論文から出題される傾向にあります。ここ10年ほどはすべて日本語課題でした。現代医療の社会的問題点、倫理的問題点、そして法律的問題点について論じた文章を読むことによって生命倫理の基礎知識を学ぶとともに、自分の経験にもとづいた独自の哲学、倫理観、世界観を構築し、さまざまな課題文に対して独自の意見を持つ発想力を鍛える必要があります。説得力のある論理性を身につけて、設問ごとに500~800字程度の小論文にまとめましょう。

新潟大学歯学部編入試験について

新潟大学歯学部編入試験では、インフォームドコンセントや人工知能の応用といった医療倫理問題から睡眠周期や食後の口腔内酸性化に対する唾液の緩衝作用などの教科書や原著論文まで生命科学全般にわたって幅広く出題されています。毎年必ず一部あるいはすべてが英文で出題されており、医療系英語の文章読解能力が必須です。また、分子生物学や生化学など大学教養レベルの生命科学の基礎知識を前提とした課題も頻出しています。

徳島大学歯学部編入試験について

徳島大学歯学部編入試験は日本文の大問1と英文の大問2から構成されています。2024年度からは、昨年度まで実施されていた理科の科目選択はなくなり、出題された設問に全て答える形式となりました。大問1では課題文中の化学式の分子量、物質のモル計算、放射性物質の半減期を用いた計算など科学的知識を問う設問1と、本文の内容から考えられる問題点を挙げ、その解決案を400字以内で論述する設問2が出されます。大問2では英文学術雑誌から抜粋した800words程度の文章を400字以内で日本語要約する設問1と、本文の内容に対して自分の考えを200字以内で述べる設問2が出されます。医療系英文の読解力を鍛えるとともに数学、物理学、化学、生物学の知識が必須です。

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